構造生命科学研究部
研究部の狙い
複雑な生命現象の中には、有機小分子のはたらきが鍵となるものが多くあります。例えば、糖、脂質等の一次代謝物、リグナンやポリフェノール等の二次代謝物、ペプチドやステロイド等のホルモン類が活躍していますが、これらはゲノム情報に直接書き込まれていないので、作用機構を明らかにするためには、遺伝子配列を調べるだけでは不十分です。私たちは核磁気共鳴法(NMR)や質量分析(MS)などの最先端機器分析と有機合成による分子プローブの創製技術を駆使して、生理活性分子の構造を明らかにし、それらの相互作用や複合体形成、局在や動態の変化などを分子・原子レベルの視点から明らかにすることで、生命現象の機構解明を目指しています。
構造生命科学研究部では、有機化学・生化学・分析化学・構造生物学などを基盤として、分子動態の検出・可視化、生理活性分子の同定、機能性分子の合成、生体分子の物性評価などを行っています。研究者各々の特性を活かしつつ、相互連携しながら学際的な研究を進めています。
研究内容
- 生体分子の時空間局在解析から
見る生物活性メカニズム解明 - 脂質性生体分子の生体膜存在下での
活性発現機構解明 - 植物二次代謝産物の
生体内制御機構の解明 - 生理活性天然有機化合物の固定