解析センター事業
当財団では、研究基盤となる最先端分析機器を導入し、その解析技術、データ処理技術を高めることで基礎科学の発展に寄与しています。さらに、その研究基盤を活用した「学術支援」として、大学等外部研究機関の公益研究の無償支援等を行っています。
本事業は、財団が自ら研究をするからこそ実施できるユニークな活動で、財団創設(1946年)以来、多くの大学等の公益研究・教育に貢献しています。
学術支援について
当財団の学術支援は、大学、独立行政法人、公益法人等の公的研究機関の基礎研究並びに学生の教育等を対象に、財団がもつ高度な解析技術や研究資源を提供して、研究テーマの一部を担い、その推進を無償で支 援するものです。
ご利用を希望される際は、所定の書式学術支援利用申込書.docxをspectro@sunbor.or.jp宛に送付ください。担当からご連絡いたします。ご記入の内容については秘密保持を厳守します。その他、事前のご相談やご質問の場合は、上記メールアドレスにご連絡ください。担当よりご連絡を差し上げます。
支援にあたっては、所内審査があります。内容や工数によってはお引き受けできない場合があります。支援を実施する場合には、学術支援覚書を締結します。また、長期的・恒常的な支援や高価な経費が必要になる場合につきましては、別途に手続きを相談させていただきます。
大学等の研究でも、製品化や知財取得を目的とした研究や営利企業との共同研究の一部に相当する場合はご遠慮願います。企業等が参画する場合でも、産学官連携に類する公益目的の研究については、対応可能な場合もありますのでご相談ください。
解析センターで
提供できる技術
- 低分子有機化合物の構造解析
- ペプチド・タンパク質の同定、発現解析
- 生理活性物質・タンパク質の機能解析
- 遺伝子解析
- 有機化学合成
- 上記の技術の実習・教育
設置機器
質量分析(MS)
ESI Q-TOF-MS
SYNAPT G2-S(Waters)
- 四重極/飛行時間型質量分析装置
- イオンモビリティー分離機能により異性体識別や複合体解析が可能
- 有機低分子から生体高分子まで幅広い質量領域の測定が可能
MALDI-TOF/TOF MS
rapifleX (Bruker)
- 真空MALDI装置
- 高感度かつ高分解能なMS、MS/MS測定が可能
- 高速なイメージング質量分析が可能(最大10 kHzのレーザー照射周波数)
イメージング質量顕微鏡
iMScope TRIO(Shimadzu)
- イメージング質量分析に特化した大気圧型MALDI装置
- 顕微鏡とMSが一体化しているので顕微鏡像とMSイメージの重ね合わせが容易
- 多段階MS/MS測定が可能
- イオントラップ-飛行時間型であるため質量精度が高い
Orbitrap FT MS
Orbitrap Elite(Thermo Fisher)
- 電場型フーリエ変換質量分析装置
- 高分解能(240,000 at m/z 400)測定が可能
- 未知化合物の構造解析やタンパクの配列解析に利用
- リニアイオントラップを装備しているので高分解の多段階MS/MS測定が可能
- HPLC-MS、nano LC-MS測定が可能
Orbitrap FT MS
Exploris120(Thermo Fisher)
- 電場型フーリエ変換質量分析装置
- 高分解能(120,000 at m/z 200)測定が可能
- 主に代謝物解析に利用
- HPLC-MS測定が可能
Triple Q MS
LCMS-8060(Shimadzu)
- 三連四重極型質量分析計
- SIM、MRM(SRM)測定を用いた高感度測定が可能
- 微量の生物活性化合物や有用成分の定量分析に利用
- マイクロLC-MS測定が可能
IT-TOF MS
LCMS-IT-TOF(Shimadzu)
- イオントラップ型質量分析計
- LC-MS測定による代謝物の網羅解析や合成化合物の構造解析に幅広く利用
- 多段階MS/MS測定が可能
核磁気共鳴(NMR)
800MHz (溶液・クライオプローブ付)
AVANCE III HD 800(Bruker)
- 観測核1H、13C、15Nで高感度測定が可能
- シグナルが重複した複雑な天然物の構造解析や混合物試料、食品抽出物、タンパク質等の解析に利用
400MHz (溶液)
AVANCE III HD 400(Bruker)
- 合成化合物や有機低分子の汎用的構造解析に利用
- 31P、17O、27Al、19F等を含む多核測定にも利用
600MHz (固体)
AVANCE III 600(Bruker)
- 材料、生体試料の直接測定や不溶性化合物の測定に有効
- ゲル状化合物から人工脂質二重膜など生体膜モデル中の天然物、タンパク質の解析にも利用
- 繊維状物質や合成高分子の分析
顕微鏡
共焦点レーザー走査型顕微鏡
FV3000(Olympus)
- 細胞や組織の断面図を獲得
- 断面図を多層に構築することで、3次元画像を獲得
- 3つの蛍光波長の同時観測と相対定量が可能