所長 あいさつ

所長 佐藤 文彦

公益財団法人サントリー生命科学財団
生物有機科学研究所
所長 佐藤 文彦

2022年7月より中西重忠前所長の後を引き継ぎ、生物有機科学研究所(生有研)所長に就任致しました。生有研は創設76年、公益財団法人として11年目を迎え、様々な実績を着実に積み上げてきましたが、一昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大により研究活動が制限され、研究の進捗に大きな影響を及ぼしました。しかし、研究者達の「知りたい、極めたい」という熱い思いは変わっておらず、今後も過去の実績に甘んじることなく、生有研独自の研究をさらに発展させ、財団の使命である「人類の幸福と繁栄」に少しでも貢献できるよう努めてまいります。

生有研では、2011年に仙木理事長、末松誠所長の下で、「天然有機化合物の科学」「生物多様性の科学」「最先端構造解析の科学」の3本の柱を融合した新しい生物有機科学の展開を計る中期目標が立案されました。2015年には、中西所長のもとで、「分子を中心に据えた生命現象のメカニズムの解明」を中心課題として、「代謝」「生体膜」「シグナリング」を研究対象とした新たな方針が設定され、成果を上げてきました。

今回の所長就任に際しましては、これまでの中期計画の成果を総括し、今後の展開についてさらなる議論を進めております。次期計画は、まだ策定途中にありますが、これまでの方針にありますように、生有研が持つ強い有機化学と構造解析の基盤を元に、多彩な生命の姿とその働きを統合的に理解することを目的として、他の研究機関では達成できないようなユニークな研究を行い、生有研が掲げる高い志「人類の幸福と繁栄」へつなげていく基盤を確立したいと考えております。また、SunRiSE研究支援制度をはじめとする研究助成・人材育成等の活動も積極的に行なっていきたいと考えています。このために関係各位のこれまで以上のご鞭撻、ご支援を心からお願い申し上げます。